秩父宮杯第64回関東大学アイスホッケー選手権大会Aグループ 中央大学vs慶應義塾大学の試合は、両チームの新1年生が初ゴールを決め大いに盛り上がりを見せた。また、両チームのこれからを支える選手たちを見つけることができた。春らしく、期待に溢れる試合となった。
《SCORE》
中央大学vs慶應大学
GOAL (4-1,1-0,1-0)
Total 6-1
SOG (15-3,13-8,14-2)
Total 42-13
《戦評》
開始早々、中央のペナルティで慶應にPSのチャンスが訪れるも、GK金子のナイスプレイで決まらず。スタートから中央がスピードで圧倒し、10分で3点を先制した。1点目は#10小泉のアシストで#30佐藤がゴール右上にシュート、2点目は#23乾・#27笹渕のダブルアシストで#65蓑島が高め正面からシュートし鮮やかに決める。続く3点目は5-3、中央のパワープレーの中、#65蓑島・#21鈴木のダブルアシストで#26坂本がスラップショットを決める。
慶應も負けてはいられない。パワープレーから、#1長谷川がゴール前でスクリーンとなり、1年生の#19瀧澤が高めのバッティングシュートで初ゴールを決める。ここで、勢いを取り戻してきたように思えた。しかし終了1分前、中央の期待の新人#77齋藤が#65蓑島から華麗にパスを受けそのまま初ゴールを決めた。その後慶應がゴール前を守り、中央が計4点、慶應が1点を獲得し第1ピリオドは終了した。
第2ピリオドでは、第1ピリオドほどスコアの動きは無かったもののペナルティが頻発し、20分のうちパワーキルでのプレーがほとんどであった。3-4の瞬間もあった。前半はどちらもねばり、中央#77齋藤は何度も良いシュートを打つが、惜しくもゴールを逃していた。慶應が中央のスピード・プレーに徐々に合わせられているのだと感じられた。開始10分ほど経ち、ここでようやく第2ピリオドでの1点目を中央#11植森・#23乾のダブルアシストで#10小泉が決める。その後の得点はなく、両チーム共にペナルティが続いた。
第3ピリオドでもペナルティが頻発し、スコアの動きはあまり見られなかった。開始8分後に中央#23乾・#30佐藤のダブルアシストで#10小泉がゴール間近からのシュートで1点獲得するも、慶應のGK河合の活躍でそれ以降の失点は無かった。
《試合後インタビュー》
【慶応義塾大学 大西功監督】
− 試合直後の感想
「さすが中央さん。中央さんの素晴らしさを肌で感じました。まだまだ慶應はグループAでやるには練習が足りないなと実感しました。」
− 今日の試合で活躍した選手は?
「キーパーの河合君は1年生ながら本当によくがんばっていたと思います。あとはもう少しFWが頑張ってくれたらと思いました。」
− 春大会の目標
「秋シーズンは8位最下位で終わったので、上位チームと対等な試合ができるようになることが目標です。今日の試合を見てもなかなか距離は縮めきれていないと思うので、秋の大会に臨めるように、これから春・夏と練習を頑張っていきたいです。」
【慶應義塾大学 4年 DF#9 小池玲央選手(C)】
− 試合直後の感想
「中央のスピードに圧倒され、スタートが上手くいかなかったのが痛かったです。FW・DF共々、1部Aのスピードに対応できるような対策が今後必要かなというのが印象です。」
− 今日の試合で活躍した選手は?
「2人いて、FWの滝智弥と、キーパーの河合智哉のダブルともやです。滝は今年のキープレーヤーで、去年のスター選手3人が抜けてからより自覚を持ってチームを引っ張っていこうという姿勢もよく見られますし、プレー面でも、攻めだけじゃなくDFでも貢献してくれるので頼もしいです。キーパーの河合は高校から上がってきたばかりで、受験の時に僕が指導していたのですが、その時からアイスホッケー頑張ってくれよとプレッシャーをかけていました(笑)彼はその期待にちゃんと応えて筋トレなど普段から頑張っているので、その姿勢が今後伸びに繋がると思います。」
− 4-4や4-5の編成が多い試合でしたが
「なかなか無いシチュエーションでした。ああいう気を取られる場面で、冷静に動ける力がうちにはまだ足りないと思いました。中央はシステマチックに各々の役割に準じていたので、そういった面でもまだまだ中央に見習う点があると思います。」
− 春大会の目標は
「残り2試合にしっかり勝って、ベスト5達成したいと思います。応援宜しくお願いします。」
【慶応義塾大学 1年 FW #19 瀧澤慎之督選手】
− 試合直後の感想
「1P最初、中央のスピードについていけず次々と3失点してしまったので、それが今日の敗因となったと思います。次も1部Aの強いチームが来ると思いますが、しっかり出だしを抑えれば勝機はあると思うので、チーム力を高めて次に照準を合わせて頑張っていきたいと思います。」
− 初ゴールの感想
「ゴールした時はパワープレーだったのですが、自分たちのパワープレーのきれいな形を中央さんにやらせてもらえなかったというのが本音です。もっとバックドアに繋げて、というのをやりたかったんです。それができなかったが故に、高めからバッティングで打つことになったのですが、ゴール前にいた長谷川君がスクリーンに入ってくれていたので、それのおかげで入ったのだと思います。」
− 4-4や4-5の編成が多い試合でしたが
「慶應の方が戦力が下という中で4-4になることによって、体力がなくなってしまったと思います。中央は個人スキルが圧倒的に高く、4-4になると圧倒的にこちらが不利になってしまうので、これから反則に気をつけることが大事だと思います。」
− 春大会の目標
「準々決勝に負けてしまったので、まずは5位を目指して頑張ります。うちのFWはスピードがあるので、足の速さで圧倒できたら良いなと思います。」
【中央大学 八戸了監督】
− 試合直後の感想
「先週試合がなく間が空いてしまったので、試合感という意味ではどうなのかなと思ったのですが、早い段階で点が取れて入りもすごく良かったと思います。」
− 今日の試合で活躍した選手は?
「とりたてて誰というのもないですが、大学リーグの初戦で、1年生デビュー戦で点を取った齋藤君はひとつ良かったかなとは思います。」
【中央大学 4年 DF #29 加藤選手 (C)】
− 試合直後の感想
「勝てたのはすごく良かったのですが、失点してしまったり、危なかったりした場面も多々あったので、そこを練習で修正していきたいです。」
− 今日の試合で活躍した選手は?
「1年生ながら初ゴールした齋藤とか、2点目の乾のパスからの得点は良かったと思います、あと最初に金子がPSで止めたのも良かったです。」
− なぜ背番号を変えたのですか?
「29はもともと小学校のときに付けていたんです。でも、高校に入ったら背番号がもう5くらいしか良いと思うものが残っていなくて。初心に戻るという意味で29に戻しました。」
【中央大学 昨年度キャプテン中島さん】
− 試合直後の感想
「立ち上がりからずっと攻めて、中でプレーできていたのが良かったです。これからの課題としては、今日の試合では守りがあまりよくなかったので、修正するべきところがあるんじゃないかなと思いました。」
− 自分のつけていた背番号を後輩がつけているのはどう感じた?
「純粋に嬉しかったです。19番の重みとかは全然無いので、もっともっと自分を出してやっていってくれたらいいなと思います。」
【中央大学 1年 FW #77 齋藤大知選手】
− 試合直後の感想
「試合に勝ったのと、初ゴールを決められたことは嬉しかったです。でも決めるチャンスは他に5回もあったのに、その中で1本しか決められなかったのは満足していないです。2・3ピリはPP・PKが多く、シフト数が少なかったのですが、その中でもチームに貢献できることはもっとあったのに、逆にピンチを作ってしまったのが反省です。」
− 大学での目標は?
「一番近いのが新人王を取ることです。あといっぱい目標はあるのですが、まずはチームとして三冠を狙っているので、それに向けて練習をしていきたいです。」
− いつからホッケーを始めたの?
「小学校1年生から。幼稚園生の時、19番の岩沢と一緒にスポーツ幼稚舎というのに通っていたんですけど、年長の時にホッケーの授業があったので、それで興味を持ちました。」
text = Yuki Komatsu
photo = Daiki Takebuchi
edit = Yutaka Kobayashi
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