「未来の日本アイスホッケーのために、アイスホッケーに関わる子供たちのために勝たなければならない。」
アイスホッケー女子日本代表大澤ちほキャプテンはそう言い切った。
2月に平昌五輪最終予選を控えるSmile Japanアイスホッケー女子日本代表はチェコ・オストラバでの強化合宿及び4カ国大会を終え、12月19日、日本へ舞い戻った。羽田空港国際線旅客ターミナル4階TIAT SKY HALLにて記者会見が行われた。
2018年に韓国で行われる平昌五輪への出場を目指すSmile Japan。アメリカ、カナダ、フィンランド、ロシア、スウェーデン、そして、開催国である韓国の6カ国はすでに参加権を保有している。出場枠は8カ国。残りの2枠での席を争ってSmile Japanは最終予選を戦う。
2/9~2/12に北海道苫小牧市で行われる最終予選。世界ランキング7位の日本は同8位のドイツ、11位オーストリア、12位フランスと総当たりのリーグ戦を戦うことになる。この中で首位のチームのみが平昌への切符を手にすることになる。
平昌五輪を確実なものとするため、Smile Japanは絶賛強化中だ。先日まで、チェコはオストラバでの強化合宿、そして4カ国大会を戦ってきた。4カ国大会ではチェコ、オーストリア、スイスと戦って全試合完封。いずれも2-0のスコアで勝利した。チェコとスイスは日本とは別グループで平昌五輪出場を目指すが、ランキング上位(6位)のスイスに勝利できたことは大きい。チェコとは大会前日に行われたテストマッチでも4-1で勝利している。
慶應義塾大学スケート部のコーチもつとめる山中武司監督は4カ国大会を終えて、「目標としていた完封、そして全勝での優勝をできたことは大きな自信につながった。しかし、もう一つの目標である3得点以上での勝利をできなかったという点で決定力、オフェンス力での課題を再確認することができた」と述べた。
実際、ソチ五輪以来、女子アイスホッケーの競技レベルは年々向上している。競技レベル、戦術レベルでの向上それはすなわち、各国の戦術的守備能力の向上に他ならない。山中監督のもとで守備に定評のあるホッケーを自負するSmile Japanだが、そもそも得点できなければ勝つことはできない。低失点戦略の上に成り立つ得点力が課題となっている。
GKコーチの春名真仁氏。昨シーズンまでH.C.栃木日光アイスバックスでプレーしていた
前回、ソチ五輪への最終予選はランキング上位の各国に対し逆転勝ちにより参加権を勝ち取った。しかし、今回は日本のランキング(7位)が同じグループ内で一番高い。精神面では追われる側の方が辛い。だが、選手はいずれも「チャレンジャーとして臨みたい」と決意を口にしていた。
ソチ以来の2年間でSmile Japanのランキングが上昇したのには訳がある。ソチ五輪への初出場によって、女子アイスホッケーの認知度は高まった。当時、選手の多くがアルバイトなどのかたわら競技に熱い思いを持って打ち込んでいる報道を知った多くの企業から就職斡旋などのサポートがなされるようになったのだ。日本代表を支えるキャプテンの大澤ちほ選手も株式会社ダイナックスに就職し、万全に競技に打ち込めるようになった。
海外挑戦する選手が増えたのも要因の一つだ。Smile Japan守護神の藤本那菜選手は一昨年の世界選手権での活躍を認められて昨シーズンは北米で設立された女子プロリーグNWHLでプレーした。キャプテン大澤が注目DFとして名を挙げた細山田選手はカナダトップリーグであるCWHLのカルガリーインフェルノにてプレーしている。
地元、日本。北海道は苫小牧開催。五輪への道を繋ぎ、日本アイスホッケー界の明日への橋渡しができるのか。「日本アイスホッケーのため」そう宣言した大澤キャプテンの眼差しに迷いはなかった。
平昌五輪女子アイスホッケー最終予選は2017年2/9~2/12日に行われる。
2/9 18:00~ vsオーストリア
2/11 18:00~ vsフランス
2/12 18:00~ vsドイツ
会場は白鳥王子アイスアリーナ。
チケットは
自由席前売1300円/当日1500円
指定席1800円/当日2000円
ローチケHMVにて購入することができる。
ぜひ、現地で日本代表を応援しよう。