【平昌五輪男子2次予選グループJ】日本vsウクライナ

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トムソングレッグ監督率いる新生日本代表。はじめてのオリンピック予選の関門をまずは一つ突破した。四年前、地元日光開催での二次予選敗退で悔しい思いをした選手が多く残っている日本代表。臥薪嘗胆、五輪への歩みを一歩ずつ着実に進めてきた。

やりたいホッケー、日本のホッケー。選手が必ず口にするその言葉が結晶化するとき、平昌への道は拓かれるに違いない。最終予選は9月。今大会、試合を追うにつれチームとしてまとまってきた日本代表がどれだけ成長するのか。これからが楽しみだ。

【試合結果】
日本vsウクライナ
《スコア》
1P 0-0
2P 0-0
3P 2-1
Total 2-1

《シュート数》
1P9-12
2P7-10
3P14-11
Total 30-33

【戦評】
開始早々、ウクライナのフィジカルの強さに対応するのが困難だった。第一ピリオド序盤ディフェンスからのパスが繋がらずパスカットや#28山下のペナルティなど攻められる展開が5分ほど続く。#27上野のニュートラルゾーンのパスカットから左サイドから切り込みチーム初シュートを放つとその後シュートチャンスがいくつも訪れるようになった。#11西脇のペナルティでまたもピンチとなったPKの状態で#8高橋に決定的なチャンスが訪れるが決めることはできない。
その後日本は#11西脇#27上野の早いフォアチェックでウクライナを苦しめる。
#8高橋がゴール前で決定的なチャンスを作るも、相手GKのファインセーブに阻まれる。
第二ピリオド#24大澤が相手GKのミスからシュートを放つもゴールの枠には入らない。
その後日本は5連続ペナルティでピンチを作るも#29福藤を中心に相手にゴールを譲らない。
第三ピリオド開始6分に待望のゴール。#20山下が左サイドからドライブしてシュートしたリバウンドを三番手で走りこんだ#9高木が決めての得点。
流れを掴んだかと思われたがその後も再三のペナルティでピンチを迎える。ここも#29福藤の守りに助けられる。ウクライナの連続ペナルティーで3対4と数的有利の状況で#16小原のハイスロットからのゴールで2点差となった日本。
だが、油断はできない。試合残り6分となったところでウクライナに決められ1点差とされてしまう。
ウクライナは残り9秒となりGKを挙げ6人攻撃に出るが日本は#29福藤を中心に得点を許さず、1点差で逃げ切った。
完全アウェーの中、決定的なチャンスをいくつも摘み取ったウクライナゴーリーの安定感、最後の最後まで日本を苦しめたウクライナチームにも賞賛を送るべきであろう。
最終予選厳しい戦いが続くことは間違いないが今後の日本代表に期待していい材料が多く見られた大会となった。

【試合後会見】

トムソングレック日本代表監督
(試合の総評)両チームともいいプレーをした好試合だったと思います。最後まで試合がどちらに転ぶかみえずらい試合でもありました。不幸にもペナルティが多かったですが、選手たちはペナルティキルで素晴らしい働きをみせてくれました。第三ピリオドでは大事な時間帯でタイムリーな得点をすることができ、福藤は信じられないくらいのプレーをしてくれました。このチームを誇りに思います。 
スピード、日本の一番の強みである速さをもっと活かしていかなければならないと思います。強くなるためにやることはまだありますが、わたしが目指すホッケーを選手たちは受け入れてくれて結果に残してくれたことは嬉しく思います。同僚(ウクライナ監督)もいまおっしゃったように今日のホッケーではミスを多く犯したほうが負けます。日本はミスが少なかった。だから三試合で一失点という結果を残せたのでしょう。
(前回のトラウマを引きづらないために)マークマホンやいろいろな人から、自国開催でやるということのプレッシャーは聞いていました。4年前日光で負けたということも含めて、合宿の初日から今日にいたるまで、どのようにプレッシャーに立ち向かうかということを選手たちとは話してきました。自国開催というのは大きなアドバンテージにもなりますし、逆にハンデにもなる。それは自分たちの心持ち次第だということです。
(これからの日本代表について)サイクル、新陳代謝というのが大事です。大学リーグもみましたが、大学リーグにも才能ある選手がたくさんいます。そういったところからどんどんチームに風を吹き込んでくるというのが大事です。ただ、このトーナメントでベテラン層がした活躍も忘れることはできないでしょう。ベテランは若い選手にはないリーダーシップもありますから。

【試合後インタビュー】

FWキャプテン田中豪
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ー試合直後、今の気持ちを教えてください
本当にホッとしてます。
ー第二ピリオド苦しかったが
簡単には勝つことはできないですし、必ず苦しい場面は出てくるのですけど我慢強くプレーすることが大事でしたしコーチ陣からも我慢して日本のホッケー続ければ必ずチャンスは来るということでペナルティー多くてピンチ多かったのですけど福藤さん中心に体張って守れたってことが大きかったのだと思います。
ー高木のゴールについて
すごい興奮しました。まぁでもそこで盛り上がりすぎるのではなくてまた気を引き締めないといけないのでベンチでもみんなすぐ気持ち切り替えて次のシフトという話をしていたのでいい準備ができていました。
ー2点目は課題としてあげていたパワープレーでしたが
あそこで絶対欲しい場面で小原さんがいいシュート決めてくれて勢いが日本の方に来たと思いますしパワープレーで取れたことは大きかったと思います。
ー最終予選に向けて
ここで優勝して勝って満足じゃなくて僕たちの目標はオリンピック出場なのでまた厳しい戦いが続くと思うのですがそこに向けてこれから準備しないといけないと思いますし(今回よりも)もっともっと厳しい試合になるのでみんなレベルアップしてチーム一丸となって準備したいと思います。

FW髙木健太
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ー先制ゴールについて
3対2という形になって僕もネットドライブできて大沢もネットドライブしていたのでそっち側にDFがついていいところにパックが転がってきたのでごっつあんゴールでした。
ーピンチも多かったのでは
いつか流れは来るのだろうとしっかり体張って守っていけたのが今日の勝利に繋がったのだと思います。
ーゴール決めた後チームメイトからの出迎えは
かえったみんなにもみくちゃにされてそれでもすぐ切り替えてまだ試合終わってないぞという切り替えもできたのでそこも良かったと思います。
ー9月の最終予選に向けて
ここから9月まで個人もトレーニングしてレベルアップしてまた9月オリンピックをかけてしっかり勝負していきたいと思います。
ー大舞台に強いのでは?
そうですねたまたま今日も転がってきたので、「持ってる」のかもしれないですね(笑)
ー初戦では同期大沢選手が活躍しましたが
もちろん同期が点数決めて悔しい面もあったので昨日の試合でもゴール決めたかったんですけど今日大事なところで決めれて良かったと思います。 

GK福藤豊
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ー今の気持ち
前回悔しい思いをしてからここまで凄く長かったので今はホッとしてます。
日本開催ということで今までにないプレッシャーもありましたしその中でこれだけ沢山の方に来ていただいてみなさんの前で結果を出すことができてよかったなと思います。
ー試合後国歌が流れている時はどうでしたか
本当に前回悔しかったのでこの大会で結果を出すことだけに集中してやってきたので嬉しかったというか涙が出そうになりました。
ー第二ピリオドまで厳しい展開、守っていてどうでしたか
まぁそうなるなとは思っていたので点の取り合いにならないと思っていましたし簡単な失点をしてしまうと試合も崩れてしまうのでそこは集中して臨んでましたけど特に問題はなかったです。
ー最終予選に向けて
ここがゴールではないのでもっともっと厳しい戦いになると思うのでゴールキーパーの仕事もレベルアップしないといけないですしまだまだ準備期間があるのでしっかり準備して臨みたいと思います。

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#27上野のチーム初シュートから流れをつかみ始める
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待望の先制点は#9髙木
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#16小原もゴールに続く
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ウクライナのゴールで1点差とされるも
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#29福藤が失点1で試合を抑えた。

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