2018年に控えた平昌五輪。アイスホッケー男子日本代表は開催国枠で出場した1998年長野五輪以来、五輪出場から遠ざかっている。自力出場は1980年レイクプラシッドが最後だ。出場枠は12カ国だが、上位8カ国と開催国韓国の9枠を除いた3枠を巡って多くの国がしのぎを削る。日本は今回の二次予選を首位通過することで出場できる最終予選でも首位という結果を残せば五輪出場権を得る。ランキング20位前後の日本には厳しい道のりだ。
悲願の五輪出場へ。平昌五輪二次予選。一戦も負けられない戦いが始まった。
【試合結果】
日本vsクロアチア
《スコア》
1P 0-0
2P 2-0
3P 1-0
Total 3-0
《シュート数》
1P10-3
2P 3-2
3P 10-3
Total 43-8
【戦評】
第一ピリオドから攻める時間が続く日本だがシュート数や決定的なチャンスを作るも決めることができず嫌なムードが流れるも、第二ピリオドに重野の怪我により追加招集された大澤がチャンスをものにし先制。第三ピリオドも大澤、キャプテン田中のゴールで相手に決定的な差をつけ日本が勝利を収めた。
日本はクロアチアの5倍ものシュートを放ったが3点どまりで終わってしまったことが懸念される。だが、平野から田中へのゴールや久慈高橋のコンビネーションなど随所にチャンスを作り出すことができており13日ルーマニア戦に期待したい。
【試合後会見】
トムソン日本代表監督
—試合を振り返って
今日は、初戦ということで大事な試合だと思っていました。
相手は天候の問題があって東京で前泊することになってしまうという不幸がありましたが、それを言い訳に手を抜くということはないようにしたいと思っていました。
なんとか二点を追加することができましたが苦しい戦いでした。
—大澤選手はチェッキングラインとしていれられているように見えるがどのような役割を期待していたのか ?
あたりにいくラインだとか、得点しにいくラインだとかよく言うひともいますが、そのような考えではやっていません。今日のホッケーでは、もちろんですが守備も攻撃もしなければならない。だからどのラインがチェッキングラインでどのラインが得点するためのラインだとか厳密には決めていません。20年前くらいはそうだったかもしれませんが、そのような考えは時代遅れです。
—得点力不足を課題にあげていましたが?
日本のチームは二回チャンスがあって二回決められるようなチームではありません。ですから得点チャンスをあいてより多く演出して得点する確率をあげるという考えでした。今日、得点したのはとても嬉しいことですし、勝てたというのも良かったと思います。でも、日本にはゲームを動かせるような天性のスコアラーはいません。ですから、アウトショットして点を取れるように確率上げをしていくしかありません。
【試合後インタビュー】
GK福藤豊
—試合を振り返って
パックをキープする時間が長く日本のペースで60分間試合運びができたかと思います。
—残り2試合相手の対策は考えているか
ルーマニアは前回戦っていますし、ウクライナに関しては去年の世界選手権で戦っていますのでどんなホッケーをやるかはわかってはいるのでもう一回ミーティングして土曜日挑みたいと思います。
キャプテンFW田中豪
—試合を振り返って
初戦を取れたことはほっとしている、ゲーム内容はまだまだレベルアップしなきゃいけないですが無失点で終えたことは良かったと思います。
ミスが多かった、自分たちのミスで相手にチャンスを与えてしまったが福藤さんが抑えてくれたのでそういう場面を与えないようにしたい。
—自身のゴールについて
平野選手から良いパスが来て僕は打つだけだったので、パスが良かったと思うのですがなかなか点数が取れないなか駄目押し点というのが欲しかった。
—次戦の意気込み
今日1試合してみんな雰囲気にも慣れたと思いますし、少しほっとした部分もあると思う。相手がだれであろうと自分たちは日本のホッケーをしなければ勝てないと思うので、シンプルにスケートしてフィジカルにどんどん前からプレッシャーをかけて攻撃的に行くことが大事だと思うので、それをしっかりできるように明日1日休みですが調整して土曜に迎えたいと思います。
FW大澤勇斗
—試合を振り返って
まず大事な初戦を勝利で飾ることができて、チームとしてもなかなか点数入らない中で1点目を決めれたことは嬉しく思っています。
—1点目を振り返って
チームとしても攻撃をしてるなかでなかなか点が入らなかったのでなんとか1点取れれば流れもできてくる中でのチャンスが僕に回ってきて(それを決めることで出来)すごく良かったです。
—2点目を振り返って
橋本僚さんが僕がドライブしてるところに良いパスをくれたので僕は決めるだけでした。
—シュート数の数とゴールを見るとゴールが少ないのでは?
ゲーム通してもショート数の割にはゴールが入らなかったのですがチームの雰囲気も全然悪くなかったですし福藤さんを中心に0点で抑えられたことは次のゲームにつながると思う。
—一度選考落ちを経験して再招集された形となったが「やってやろう」という気持ちはあったか?
落選したことはすごくショックでしたががその後重野さんが怪我の再招集という形でまた呼んでいただいて、僕としてはボジティブに捉えて、読んでもらったにはぜったい結果出して日本のためにやってやろうというう気持ちはありました。
—次世代の日本のアイスホッケー界を引っ張る存在として意気込み
そうですね、福藤さんとか田中豪さんとかベテランの方なので若い選手がたくさん入っている中でもっと若い選手のレベルアップは必要だと思いますしベテランに負けないよう僕ら若い選手もどんどん活躍できるように頑張りたいです。
【ゲームレポート】
オリンピックへの道、その道は決して平坦ではない。
日本代表は第一ピリオド開始29秒で#26平野がエルボーイングで2分間退場波乱の展開。
#8高橋のシュートのディフレクションで先制かと思われたが、パックはポストに直撃しゴールとはならず。
クロアチアのトリッピングでチャンスを得るも決めきれずスコアレスのまま第一ピリオドを折り返す。
第二ピリオド日本は#8高橋の左サイドからのドライブでゴールに迫るも空いてGKのファインセーブに阻まれる。
その後も#11西脇がバックドアからワンタイムシュートを放つもゴールとはならずゴールが遠い日本。
しかし、34:50に#24大澤がゴール前の混戦の中、ゴールに押し込み先制をした。
攻める時間が多い中で被シュート数が少ない状況でクロアチアが放つシュートを正確に止める#29福藤の存在も目立った。
第三ピリオド、55:29に#24大澤の2ゴール目が決まりチームに勢いが乗ると
#26平野からバスが#14キャプテン田中へ通るとそのパスを確実に仕留め、試合を決めた。
TIC編集部
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