【ゲームレポート】明治vs中央 2015年関東大学アイスホッケーリーグ戦第7節

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頂上決戦は最終戦へ持ち越しとなった。リーグ前半戦最終日、最も注目が集まった明大対中大の一戦。中大が1点リードで迎えた第3ピリオド14分、明大・大津晃介キャプテンの同点ゴールで3―3となる。その後互いに決定機はつくるものの、得点にはつながらず。優勝候補同士の一戦は引き分けに終わった。

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第1ピリオド16分28秒、試合の拮抗を破ったのは中大だった。ブルーラインから放たれた中島彰吾キャプテン(中大)のパスを受けた坂本颯選手のシュートは勢いよくゴールを突いた。このゴールが先制点となり、中大リードで第1ピリオドを終える。

 

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【1Pも後半に中央が先制点】中央1-0明治16:28 中央大学 G#26坂本颯 A#19中島彰吾 A#65簑島圭悟(+1)https://www.showroom-live.com/feef2336722

Posted by Tokyo Icehockey Channel on 2015年10月17日

 

第2ピリオドは明大が主導権を握る。6分57秒、素早いパック回しで攻撃の形をつくると、最後は桂川涼選手(明大)が冷静に決め、同点に追い付く。

 

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【ピリオドを跨いで明治が得点し同点へ】中央1-1明治26:57 明治大学 G#3大澤翔 A#52松金健太 A#21桂川涼https://www.showroom-live.com/feef2336722

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さらに17分25秒には川村一希選手(明大)からパスを受けた大椋舞人選手(明大)がフリーでシュート。「ちょうど2対1の形になったので迷わず打った」とゴール前中大DF不在のなか、大きく腕を振り切った。欲しかった追加点を決めると、大きく右手の拳を振り下げた。

 

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【明治2点目を入れリード、波に乗ったか】中央1-2明治37:25 明治大学 G#22大椋舞人 A#10川村一希 A#8大場大https://www.showroom-live.com/feef2336722

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明大1点リードで迎えた第3ピリオド。開始早々、中大が反撃に出る。中島キャプテンがゴール前で明大3選手を振り切り、ゴール裏からGK左脇に打ち込み、2点目を挙げる。

 

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【3P開始からすかさず中央が得点し明治に追いつく】中央2-2明治41:02 中央大学 G#19中島彰吾https://www.showroom-live.com/feef2336722

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2―2となったところで、再び中島キャプテン。巧みなパック捌きから直接狙ったシュートが逆転弾となった。見事な個人技で一気に流れを引き寄せた。

 

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【中央逆転、リードを奪い返す】中央3-2明治44:13 中央大学 G#19中島https://www.showroom-live.com/feef2336722

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逆転を許した明大だったが反撃の手を緩めなかった。14分54秒、大澤翔選手がリンク中央から放ったロングシュートに大津キャプテンが反応。「気持ちが前に出たゴールだった」と、こぼれたパックを逃さず押し込んだ。

 

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【明治再度同点に追いつく。ここからリードなるか】中央3-3明治54:54 明治大学 G#11大津晃介 A#3大澤翔 A#19上野峻輔(+1)https://www.showroom-live.com/feef2336722

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試合時間残り5分となったところで試合は振り出しに戻った。その後両チームともに勝ち越し点を狙うが得点は生まれず。「どちらが勝ってもおかしくないゲームだった」と解説の尾野貴之さん。今年3度目の対戦となった明大対中大の一戦は、引き分けで終わった。

「もう負けられない状況にいる」(大椋選手)。明大は前半戦を終え一敗一引き分け。リーグ戦連覇を手にするためには、後半戦一つの取りこぼしも許されない。しかし逆境から這い上がる力こそ、明大の最大の強みではないだろうか。思い返せば昨年のリーグ戦。前半戦では早大、中大に連敗を喫したが、後半戦は6勝1分けと土壇場から勝負強さを見せ、9年ぶりリーグ戦制覇を果たした。「去年3冠を取ったとか、今年の明大は強いだとかそういうイメージを全部捨てる。チャレンジャーとして、一つ一つ貪欲にホッケーをしたい」と大津キャプテン。大津キャプテンが言うように、勝ちに対する「貪欲さ」「執念」こそがチームの命運を左右するのではないだろうか。後半戦では、未だ鳴りを潜めている明大の爆発力に火が付くことを期待したい。

一方、前半戦を首位で終えた中大は虎視眈々と優勝を狙う。「今年の中大は負けない」と古橋選手が話すように、開幕戦からここまでブレのない試合運びで白星を重ねてきた。選手間、セット間を越え、チームの軸となる安定した強さは、他の大学から頭一つ抜けているように感じる。昨年はタイトルをことごとく明大に奪われ悔しい思いをしてきた中大。しかし今年は「自分たちの番だぞ」と言わんばかりに強さを発揮している。特にリーグ戦優勝は三冠達成への中間点として重要な意味を持つ。優勝を懸けた後半戦へ、チーム一丸となり挑む。

前半戦を終え、勝ち点4差に4チームがひしめき合う今年のリーグ戦。優勝候補に生き残るためには決して負けは許されない。頂上に辿り着くのはただ一チーム。一つでも負けを増やしたチームから脱落するサバイバルゲームを制するのはどこの大学か。注目の戦いから目が離せない。

☆試合後のコメント☆

明大

大津晃介選手

「1ピリは中大のペースになってしまって、流れもそんなに良くなかった。そんな中でも第3セットの1年生二人、松本(昂大)と府中(裕也)に加えて2年生の井上(東吾)が少しずつチームの流れを持ってきてくれたというのは良かった。2ピリは大椋のゴールもあってチャンスがたくさんあったが、3ピリでまた流れを渡してしまった。それも全部反則が原因だった。点数を決める決めない以前の問題なので、気持ちのマネジメントだったり時間帯を考えたマネジメントをしていきたい。明大の試合では流れが悪いときというのはベンチからあまり声が出ないが、今日は中大に勝つために一丸となって気持ちを切らさずベンチから声が出ていたので、そういうところは良い形でホッケーができたと思う。(最後の同点ゴールについて)普段やっている流れではないゴールで、気持ちが前に出たゴールだったと思う。周りの他の4人もゴールに向かう気持ちが出ていた。そういういろんな人の気持ちを汲んだゴールだった。良い時間帯に決めることができて良かった。リーグ前半戦は波のある試合が多かった。その原因はスコアリングチャンスを生かし切れなかったところだと思う。2次リーグは守りから攻め、攻めから守りと連携したプレーでしっかりゴールを決められるチームになりたい。去年3冠を取ったとか、今年の明大は強いだとかそういうイメージを全部捨てて、チャレンジャーとして、一つ一つ貪欲に、アグレッシブにホッケーできれば自ずと良い流れになっていくと思う」

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大椋舞人選手

「3ピリ後半くらいから反則が増えてきた。苦しい展開だったが追いつけて良かった。パワープレーは結構練習していたが、自分たちのやってきたことがあまりできず、精度が低かった。今後の課題として練習していきたい。だがまず反則をなくさないと次から勝てなくなると思う。(自身のゴールシーンについて)同点だったので勝ち越してチームを楽にしたいと思っていた。ちょうど2対1の形になったので迷わず打った。(リーグ前半戦を振り返って)いらない反則で崩れてしまうことがあったので、そういうところをなくしたい。5対5であれば自分たちのホッケーができると思う。もう負けられない状況にいる。中大が今リードしているので中大には負けないように、あとは早大にも勝って優勝したい」

 

中大

中島彰吾選手

「勝ちたいゲームだったというのが素直な感想。最後に明大が追いついてきたところはやはり強いなという印象だった。悪かった点は2ピリ終了5分を切ったところで入れられたこと。試合が始まる前からそこは注意していこうと話していた。良かったところはそんなにない。逆転できたことは良かったが最終的に追いつかれてしまったので。チームの動きは、1ピリの入りは良かったが2ピリ3ピリと相手の攻めに苦しんだ。そういう苦しい展開の中で、相手のゾーンでプレーできなかったことが引き分けた原因かなと思う。2点目、3点目のゴールについては、ビハインドで3ピリを迎えていたので、自分でいってやろうという気持ちだった。それで2点、3点と決めることができた。リーグ前半戦を振り返ると、東洋大戦はよく引き分けたなという感じだと思うが、今回の引き分けは勝ち切れなかったという感じだったので、もう一つ勝ちが多くても良かった1次リーグだと思う。2次リーグは最初の試合から本当に全部勝つつもりで挑みたいと思う」

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古橋真来選手

「1ピリは足が動いていてチャンスをつくれて中大ペースで進んだが、2ピリは足が止まってしまって失点したので2ピリをどうにかしたい。2ピリが悔やまれる。(3ピリに入る前のインターバルでは)1ー2で負けていたので、3ピリでは中大が先制をして2-2にしてからの戦い方をチームで話し合った。最後の1点さえ守り切れていれば、試合の形としては良かった。夏は明大に3-0で勝っていて、明大もいろいろ対策をしてきたと思う。明大はスキルが高い選手が多く、1対1で負けている部分があったので、そういうところが明大の強さだと感じた。今年の中大は「負けない」という強みがある。ただ勝ち切るというところが少し足りないので、後半戦はしっかり勝ち切りたい。リーグ前半戦はあまり得点できていなかったので、後半戦は自分が決めて勝利に貢献できればいいなと思う」

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長堀 笙乃

長堀 笙乃

元体育会明治大学スポーツ新聞部のアイスホッケー部担当。スポーツ報道をしたい。そのためにスポーツが強く、新聞部のある大学を選んだ生粋のスポーツ記者。この春大学を卒業し、現在は新人記者として修行中。休日はアイスホッケーの取材に走り回っている。